「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督:三木孝浩
原作:七月隆文
脚本:吉田智子
製作:市川南
2016年、日本、111分
配給:東宝
*ざっくりあらすじ
電車の中で愛美に一目惚れしてしまった美大生の高寿。勇気を出して声をかけると彼女は泣いていた。。。
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タイトルの意味
原作は読んでいません。原作を読んでから映画を見た友達が、原作も良かったけど映画もすごく良かったよ!と言っていたので気になる映画でした。
まず私、タイトルの意味が分からなかったです。笑 憶測で考えようとも本当に意味が分からなくて、映画を見ても分からないのではないかと心配しましたが、大丈夫でした奈菜ちゃんが教えてくれます☺︎笑(でも意味が分かるまで時間がかかったアホな私...泣) ストーリーを知っている方は、冒頭からぐっとくるのではないでしょうか。最近の壁ドン胸キュン恋愛邦画にはないような設定でしたので、邦画っぽくなく新鮮に感じました。主題の書き方も、なぜ「明日」と「昨日」だけを漢字にしてあるのか納得もいきますし、書き方にも着目する作者さん流石だなと思いました。
最後の15分が珠玉
始めはハテナな部分も意味が段々分かってくると、ぶわっと切なさに襲われます。特に最後の15分は同じ出来事をリピートしているだけなのに、視点が違うとこんなにも世界が変わって見えるのか...そういうことだったのか...と鳥肌が立ちました。奈菜ちゃんの苦しさが伝わってきて鼻がつんとしました。この15分を見るためにこの映画を見てもらいたいです。そして、ラストが冒頭に繋がるところも素敵でした。
福士くん奈菜ちゃんが可愛い件について
とにかくキャストが大正解でした。髪の毛ぼさぼさで根暗っぽい福士君から隠しきれないイケメン感、天真爛漫な奈菜ちゃんの笑顔の爆発力よ。それにしても二人とも背高くて顔小さすぎてやばかったです。(語彙力)二人で写真を撮りあうシーンがあるのですが、カメラのCMですかー??Canon?Nikon?と思っちゃうほど、美!!!!でした。(語彙力)
二人以外の主な登場人物は、高寿の友達(東出昌大)と高寿の両親と決して多くないのですが、その分二人をより集中して見ることができました。
設定が肝なので、ネタバレしないように書こうとするとどうしても抽象的になってしまいました...。主題歌がバックナンバーのハッピーエンドなのですが、これもまた泣ける。好きな子と見るのにオススメです!(一人で見た女より)
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ストーリー:★★★★
音楽:★★★★
映像:★★★★
ラブロマンス:★★★★★
コメディ、バイオレンス、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
好きな人と一緒に。
「いきなり先生になったボクが彼女に恋をした」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督:朝原雄三
原案:ケビン・DC・チャン
脚本:伏見朋子、朝原雄三、ケビン・DC・チャン
2016年、日本、98分
配給:松竹メディア事業部
*ざっくりあらすじ
会社のリストラに遭い、最後の沖縄出張に来ていたヨンウン。しかし出張中、会社に警察が入り戻れなくなってしまう。途方に暮れる中、偶然外国語教室を開く室長と出会い、韓国語教師になってほしいと懇願される。
兄さん、頑張っていました!
K-popに興味がある方なら知っている方も多いかと思います、Superjuniorのイェソンがヨンウン役を演じています。兄さんが日本の映画に出る日がくるなんて...!(イェソンさんは日本で兄さんと呼ばれています笑)
一重のきりっとした顔つきでクールに見られがちな兄さんですが、面白いことや冗談が大好きなので、(スーパージュニアのメンバーは大体そうw)どこか抜けていて、笑わせてくれるヨンウン役はぴったりだったと思います。日本語も頑張っていました!言葉の発音よりもイントネーションやリアクションが上手く、例え発音が良くなくてもそれらでカバーしていたように感じます。たまーに素の兄さんぽい動きや表情が垣間見られて面白かったです。笑
韓国語の先生なので、韓国語での会話がところどころ出てきます。劇中の韓国語と日本語の割合は4:6、くらいでしょうか。韓国語を勉強している方にとっては、ストーリーを楽しみながら韓国語にも触れられる映画になっていると思います。
沖縄紹介映画
舞台が沖縄なのですが、沖縄のPR動画かと思うほど沖縄が全面に出ています。笑 美ら海水族館や首里城、国際通りといった観光名所から綺麗な海やのどかな風景まで。この映画を韓国人に見せたらとても良い沖縄のPRになるなーと思いました(誰)。沖縄に行ったことがある方なら、ここ行ったことある場所だ!と必ずなると思います。沖縄在住の方なら地元色強い映画に感じられますし、誰でも沖縄の魅力を感じられる映画になっています。
笑えてほっこりする映画
佐々木希さんは、とにかく一生懸命で強いシングルマザーのさくらを演じます。物静かな役ではなく、髪をふり乱して自転車を漕いでいる姿に好感がもてました。(なにしても可愛いんですけどね)しかし沖縄は坂が多い、、、坂を上るシーンは見ている方もきつくなりました。汗
非日常的なストーリーでしたが、主演の二人の飾らない演技にほっこり時々くすっとさせられる映画でした。また、ふせえりさん、吹越満さん、佐藤正宏さん等ベテラン俳優陣が二人をそばで優しく見守っている姿も微笑ましかったです。
98分という長さも気軽に見られる時間だと思います。
Superjuniorの最新MVも一番下に貼りましたので、是非アイドルのイェソンさんをご覧ください!笑
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ストーリー:★★★
音楽:★★★
映像:★★★★
ラブロマンス:★★★★
コメディ:★★★
バイオレンス、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
沖縄のゆったりした風土を気軽に感じたい時。ほのぼのしたい時。
「溺れるナイフ」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督:山戸結希
原作:ジョージ朝倉
脚本:井土紀州、山戸結希
製作:依田巽
2016年、日本、111分
配給:ギャガ
*ざっくりあらすじ
親の都合で田舎に越してきた元モデルの夏芽。なにもない田舎で航一郎(コウ)と出会い、退屈な毎日が一変する。
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私が欲しているのは、体を貫く目映い閃光だけなのだ
原作は見ていません。ラストシーンにかけて急にギアが上がったようなスピード感で駆け抜けるので、原作を読んで詳細なストーリーを知りたくなりました。
ということで予備知識無しで観たのですが、THE胸キュン恋愛映画ではありませんでした。田舎という閉鎖的な場所で、未熟だけど強烈な何かに惹かれ、高揚し、傷つき、葛藤し、胸に抱き続ける、、。今思えば子供だったなーと思うことも、当時の本人達にしてみれば苦しくなるほど必死に生きもがいていた、その姿が丁寧に描かれてます。
山戸祐希監督の撮る映像は涙が出るほど美しいです。田舎の緑や海のシーンが多いのですが、とにかく綺麗!赤もただの赤色ではなく椿色、青色も群青色...といったように思わず名前で表したくなるような色がとても魅力的でした。個々の色がぱきっとして濃いのだけど目立つわけではなく、色が綺麗に映えているなぁとも思いました。また、特徴的な長回しや、引きで撮るシーンも印象的でした。引きのシーンでは、夏芽とコウの物理的距離が心の距離を表しているのかなと思うシーンもあり興味深かったです。
青春って脆くて繊細
地元の神主一族の跡取り息子の航一郞(コウ)。特別扱いが許されているからか、彼はやりたい放題。そんな彼を夏芽は捕まえようするが捕まえられない。
映画を観ていると、コウは止まっているシーンがほぼないなと感じました。とにかく歩いたり、走ったり、バイクに乗ったり、祭りの伝統演舞を踊っています。まるでふわふわ風のように、時には波打つ海のように。ただただ落ち着かなくて不安定な印象。今にもいなくなってしまいそうな雰囲気に、夏芽は共鳴し、またコウも夏芽から同じ空気を感じていたんだと思います。
夏芽とコウは何度か海に落ちるのですが、そのシーンごとに二人の関係性が表されています。溺れるんじゃないかと思うほどハラハラな場面もありましたが、それが今の二人の状況なのかなと思ったり。
カナちゃんと大友
夏芽とコウの同級生として登場する大友(重岡大毅)とカナちゃん(上白石萌音)。いかにも田舎っ子!な二人が、夏目とコウのどこか浮き世離れした二人と観客を繋いでるように感じました。田舎育ちの私にとって、二人がとてもリアルに感じられました!カナちゃんの中学生から高校生への変化はものすごく生々しかったです。笑 大友はクラスの人気者感がすごかった、、、いうなら、ちびまる子ちゃんの大野君!私の友人皆惚れたと言っていました← いつも明るくて面白くてはきはきしてるし、夏芽のような馴染めてない子にも声をかける。そこに方言補正もかかればそりゃ惚れますよ。(原作の大友とは違っていたらごめんなさい...)大友君に愛された女性は幸せだろうな~(遠い目)
音楽もとても良かったです。個人的にサントラの「コウを追いかけて」がすごく好きです。弾きたいけど楽譜が探せない...orz
夏芽が襲われるシーンがあるので、苦手な方はご注意下さい。
ストーリー:★★★
音楽:★★★★
映像:★★★★★
ラブロマンス:★★★★
バイオレンス:★
コメディ、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
15歳に感じた全ての感情を詰め込んだ青春映画をみたいとき。
「ひるなかの流星」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督:新城毅彦
原作:やまもり三香
脚本:足達奈緖子
製作:小川晋一、市川南
2017年、日本、119分
配給:東宝
*ざっくりあらすじ
田舎から都会の高校に転校してきたすずめは、担任の獅子尾を好きになってしまう。しかし同級生である馬村に好意を抱かれ、すずめの心は揺れ動く。。。
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最後はどっち。。。?
原作は見ていません。(映画と結末一緒なのかな?)永野芽郁ちゃん好きなので見ました。ありきたりな三角関係でしたが、意外と最後までどっちにいくか分からず楽しめました。
三浦翔平が先生なんてついにそんな時代が来たか。。(遠い目)しかも担任だなんて夢を持たせてくれるね~。私ならど真ん前の席よりも、四隅の席でテスト中とかひっそり話したい。。。んで、すずめみたいに絶対無断欠席なんかしないし、ラインじゃなくて電話するね。生徒の権利乱用。おばさんの妄想を許してくれ。先生がデート誘ったり、生徒の胸ぐらつかんだりいろいろアウトだけど(笑)それさえも許せる三浦翔平様々。
キュンキュン過多
申し訳ないのですが、おばさんにはくさすぎて終始笑ってしまいました。とにかくキュンのオンパレード。こっちが恥ずかしくなるやつ。(笑)芽郁ちゃんはなーんか垢抜けないところが良い◎都会よりも田舎の制服の方が似合ってるし。綾瀬はるかにも似てるよね。美しいけど天真爛漫で庶民的。市民に愛される姫感。今は無垢で一生懸命な役柄が多いけど、これからいろんな役柄を見せてくれることに期待です。
恋愛映画は友情映画
学生恋愛は、脇役だけど主人公の友人がいいヤツだったりします。すずめの友人ゆゆかちゃん(山本舞香さん)は見た目がちょっぴり派手で怖いですが、すずめは憶することなく向かい合うことで、次第に仲を深めます。ゆゆかちゃんみたいにさっぱりしているけれど友情にあつい友達って頼れる存在。劇中では、すずめとゆゆかちゃんの友情も見どころです。
ストーリー:★★★
音楽:★★★
ラブロマンス:★★★★★
コメディ:★
バイオレンス、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
難しい映画はやだ!キュンキュンしたい!!とき。
*1:eiga.com/movie/85636/photo/
「オケ老人!」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督、脚本:細川徹
原作:荒木源
2016年、日本、119分
配給:ファントム・フィルム
*ざっくりあらすじ
ひょんなことから老人ばかりのアマチュアオーケストラに入ってしまった高校教師、千鶴。単独コンサートを目指し、彼女率いる高齢オーケストラの奮闘と成長を描く。
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好きなことを始めるのに遅いことはない
杏さん、初主演映画!生徒や高齢の方に教える先生役がとても似合っていました。また、アマチュアオーケストラ集団のメンバーも錚々たる顔ぶれ。失礼ですが、この御年で本当に楽器が弾けるのか...と思いましたが、どんどん上手くなる過程に驚くとともに、年齢なんてほんと関係ないんだなと思わせる俳優さんのプロ意識に感動しました。
このアマチュアオーケストラ集団”梅響”のモデルとなったアマチュアオーケストラが存在しています。そこに所属している方の最高齢が87歳!ビオラを弾かれている姿がとてもかっこよかったです。それと同時に、20代、30代、40代....でやりたいことを躊躇しているのが少し恥ずかしくもなりました。何かをやりたい!始めたい!と思った時、いろんな障害を考えることは誰しもそうだと思います。しかし、そこで勇気を持って踏み出した先に待っている新しい出会いが、人生をより豊かなものにしてくれるのだと感じました。
目標に向かって一生懸命な人たちは、見ている人を感動させます。すました顔ではなく泥臭く決して諦めない姿、そこにちらりと練習しすぎた跡が見えた時に思わず目頭が熱くなりました。
アマチュアの在り方
劇中では、"梅フィル"というアマチュアオーケストラが梅響と敵対します。梅フィルはレベルの高い集団ですがとっても厳しい。厳しい環境ですが、プロ顔負けの集団。高いレベルが求められることは時に自分を成長させてくれ、時に苦しくもなります。
どんな環境に身を置くかは自分次第です。ですが、辛い環境に我慢して居続け好きなものがだんだん好きで無くなることは、何よりも悲しいなと感じました。たかがアマチュア、されどアマチュア……アマの多様性、難しいです。
歴史は繰り返さない
ラブロマンスも少々あります!杏さんもあるのですが、黒島結菜さんの高校生カップルはとてもキュンキュンしましたし、爽やかすぎて心から浄化されました…
しかしこのカップル、互いの親世代が犬猿の仲。自分たちには何の関係もないのに振り回されてしまいます。代々受け継がれた親同士の争いは、全く身に覚えのない次世代に引き継ぐ必要はないのに!ともやもやする場面も。過去のしがらみを精算して関係修復をすることが大切なことも教えてくれました。
***
高齢の方ばかりでどうしても死を連想させる出来事(そんなに重くはありませんが)や死ネタのブラックジョークが出てくるので、死を連想する映画が苦手な方はオススメしません。
これぞ、THE笑って泣ける映画!どこかで聞いたことあるような有名なクラシックばかりなので、老若男女楽しめると思います。見た後は自分の中に閉じ込めていたやりたいこと、好きなこと、、、やっぱりやりたい!!と思わずにはいられない映画です。
ストーリー:★★★
音楽:★★★★★
ラブロマンス:★
コメディ:★★★★
死を連想させる:★★★★
バイオレンス、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
何かを始めたいとき、笑って泣きたいとき。
「サーミの血」/ネタバレ無、映画レビュー感想
監督、脚本:アマンダ・シェーネル
製作:ラーシュ・G・リンドストロム
出演:レーネ=セシリア・スパルロク、ミーア=エリーカ・スパルロク、マイ=ドリス・リンピ、ユリウス・フレイシャンデル 他
配給:アップリンク
原題:Sameblod
*ざっくりあらすじ
部族差別や研究対象になるサーミ人。その血を受け継ぐ一人の少女、エレ・マリャ。自分の人生と自由を取り戻すため、家族と故郷を捨てる決断をする。
***
2018年1作目、見てきました!地方はやっと今の時期公開^^;「サーミの血」はたまたま映画館で予告動画が流れていてヨイク(サーミ人の伝統歌謡)のメロディがとても美しく、ずっと頭に残っていました。
北欧の風景美や福祉国家とは裏腹に、人種差別が行われていたことを私は全く知らなかったので驚きましたが、少数民族に対する差別の一端を見せてくれる映画でした。
監督のアマンダ・シェーネルさんは親と祖父母世代がサーミ人であり、主演を演じたレーネ=セシリア・スパルロクさんは現実でもサーミ人!今も家族と共にトナカイ狩猟をしながら生活しているそうです。監督はいつかサーミについての映画を作りたいと思い、この映画を作るにあたってサーミの子供を集めて傷ついた差別発言を聞き出したそうです。その言葉たちが実際に映画で使用されているので、サーミ人にぶつけられる言葉一つ一つが重く、いろんな背景を考えさせられました。
ヨイクを歌えば心は帰れる
頭がよくしっかり者のエレ・マリャ。妹と共にサーミの地を離れ、寄宿学校で過ごします。学校生活で受ける差別、学校外で向けられる人々の視線、そんな日々の中、サーミ人の心の拠り所はヨイクでした。劇中で歌われるヨイクは、シーンごとに様々な喜怒哀楽を表します。このような伝統歌は、一見美しく共通帰属意識を芽生えさせますが、その土地から逃れられない足かせになっているのではないかと感じました。
そして、誰しもがそのような足かせを持っていると思います。(例えば、故郷の歌や食べ物、方言など)その伝統を守る者と離れる者。エレ・マリャは後者になりますが、映画全体を通して完全に断ち切ることはできない、故郷というものは強力で強烈なものだと感じました。
自分の部族に誇りを持てるか
主演のレーネ=セシリア・スパルロクさんは、サーミ人であることに誇りを持っているとインタビュー記事で語っています。その点が彼女が演じるエレ・マリャとは大きく違うと感じました。周りからの差別、そしてエレ・マリャ自身にもサーミ人への偏見があったでしょう。その偏見は、何度も心身が傷つけられようと前に進む原動力として描かれています。
愛する家族、偏見のない目、自由。全ては手に入れられない当時の残酷さに心が痛みました。特に終盤の彼女の母の行動は…言葉になりません。
レーネ=セシリア・スパルロクさんは今回初めての演技だったそうでびっくりしました。明るい顔、子どものように笑う顔、自信に満ちた顔、穏やかな顔、おびえた顔、嘘をついてる顔、色っぽい顔、ふいに見せる大人な顔、何を考えているのか分からない顔、、、百面相のようでした。ある表情から違う表情へグラデーションのように変わる表情変化が素晴らしかったです。
無意識的な加害者になっていないか
この映画には差別する人々のタイプが二つ描かれているように思いました。一つは明らかな差別をする人、もう一つは好奇心を手段に無意識に差別する人。後者の人間が映画で登場した時にはっとしました。私もこんなことを言ったことはないだろうかと。差別する気はさらさらないのに無意識に差別をしている人間の様子に鳥肌が立ちました。
理解したい気持ちを持ってマイノリティーに近づくことは良いですが、どこかで下に見ている気持ちを持っていると必ず相手に伝わります。相手を理解したいのなら、対等または尊敬の気持ちを持って相手に接さなければいけないと改めて感じました。
エレ・マリャと共に過ごすうちに、観客もマイノリティーの気持ちを悲しくも発見・共有できる映画だと思います。
・・・
見ていられないほどの過激な差別シーンはあまりなかったように思います。ただ、暴力、体罰シーンはありましたし(演技がすごく上手でエレ・マリャが本当に痛そうにしてて辛かった;;)、サーミ人はトナカイ狩猟をして生活しているのでトナカイの血、一部シーンでは人の血も出てくるシーンがあるので苦手な方はお気をつけてください。
少しですが、ラブロマンスもあります。お相手のユリウス・フレイシャンデルがとってもイケメンです。最初の出会いのシーンだけ10回リピートしてくれてもよかった...
ストーリー:★★★★
映像:★★★★★
配役:★★★★★
バイオレンス性:★
ラブロマンス:★
コメディ、ホラー、アクション:0
(5点満点)
~オススメ場面~
抗えない運命に屈したくないとき、差別について考えたいときに。
R.I.P. Jonghyun
12月18日(月)夜、なんとなく開いたヤフーのトップニュースに目を疑った。
全く理解ができなくて詳細も何もなくて何がなんだか訳がわからなかった。
ブルゾンちえみちゃんも言っていたけど、何の前触れもなく後ろから思いっきり殴られたような、避けることなんてできずに、もろにくらってしまってまさにふらふらな状態。
そのまま母にそのニュースを見せた。正直見せるのが怖かった。母は、私と2月に東京ドームであるShineeのライブに行く予定だからだ。こんなニュース見せられるなんて思っていない顔で画面を覗きこんでくる......こっちだって意味わかんないよ。
でもまだ生きているという情報もあったりかなり錯綜していて。母の知人のジョンペンさんも手が震えて文字が打てないと連絡がありすごくすごく心配だった。
日付が変わる直前に公式が出るまでは当然助かると思っていたし生きていなきゃおかしい、それしか考えられなかった。
「『みんなそうやって生きてる、あなただけが辛いんじゃない』という言葉は僕は世界で一番駄目な慰め方だと思っています。誰かを慰める時は誰かと比較するよりただその人について話し合ってあげたらいいんじゃないかなと僕は思います」(170208青い夜より)
— 杏̳ (@peachylight) 2017年12月18日
本当に弱い人の心を理解できる優しい人だった pic.twitter.com/gGGGf8Lhic
K-popが好きな方ならShineeという言葉は一度は聞いて知っている方が多いのではないでしょうか。5人の息のあった歌とダンス、愛される人柄、そして日本での精力的な活動。日本語も本当に上手くて他ペンながらすごく有難くて嬉しくて身近に感じられた。正直シャイニとシャヲルこそアイドルとファンの見本であり私には眩しかった。し、それは今も変わらない。
私はエルプだからこんなことを書くのはでしゃばりなのかなと思ったけれど、でもやっぱり書いて残したい。同じ会社、同じチーム、家族のように思って応援していたから。こう思わせてくれたジョンヒョンの言葉もあったから。そして、同じ病気を経験している身として彼の苦しさや怖さが少しは理解できてやるせないから。
朝起きると新しくアップされる写真と動画に否応なしに現実と向き合わされる。その度に全部悪い夢だったという希望も毎日粉々にされる。全てに現実味がない。誰が遺影なんて見ることになると思っていた?誰がメンバーがメンバーの喪主になると予想していた?こんなことになるなんて誰が想像していた?
私ですらあまりに大きな衝撃と深い悲しみで茫然としているのにシャヲルの方、友人、メンバー、ご家族の悲しみは想像を絶する。気づいてあげられなかったと自身を責めているかもしれませんが、誰も悪くないです。自身を責めないでほしいなと願います。
最初にメディアの前に姿を現し弔問に訪れる人を気丈に迎えるミノ。海外で訃報を聞き、すぐに会いたいのに10時間以上飛行機の中でただひたすら待つことしかできなかったキー君。涙も見せず感情を失ったテミン。そして、葬儀中でもご家族を気遣うオニュ。リーダーとして。。。
それでも4人とも1歩1歩ゆっくり進みながらしっかり喪主を務めていた。本っ当に強い。会社には言いたいことはたくさんあるけど、まずは4人の心身のケアを最優先してほしい。そしてこのようなことを二度と起こさないため体制を見直してほしい。
まだまだシャイニはこれから5人集まって、兵役も終えて、更に素晴らしい5人になるだろうと思っていたけれど、あなたはもうやっと、やっっとの思いでここまで生きてきたんだね。苦しかったね。苦しかったよね。あなたは誰よりも強くて優しかった。でも、弱くてもよかったんだよ。エゴなのは分かっているけど...弱くてもいいからこの世にいてほしかった。ごめんなさい。私たちには気づかせないように、良い姿だけ見せなきゃと思わせてごめんなさい。
地位も名誉もとてつもない愛をももらっていたはずの人間でさえ自ら命を絶ってしまう、この病気が恐ろしいし憎い。見えない心が病気だからこそ治りづらいし、周りも認識しにくい。人前に出ると空元気で平然を装ったりできるから、痛いのは我慢できるから余計怖い。
甘え・わがまま・怠惰だという言葉は全くの見当違いだし我慢できているから大丈夫、な訳ない。しかし本人は、自分の甘え・わがまま・怠惰であり、我慢しなければいけないと思っている。隠さないでと言われてもあなたと一緒にいる時は素直に楽しいから、その時だけは悪夢を忘れたいのかもしれない。(これは本人にとってはすごく助かっていると思う。)
仮に全てを打ち明けている人がいても、その人と離れれば結局自分一人で自分と向き合わなければならないから恐怖から逃げられない。自分でもどうしていいか分からない。程度が軽いのか重いのか治っているのかさえ分からない。
私が助かってほしいと言った時、ある人がこんな言葉を返した。
「助かった時の方が本人は辛いと思う。」
それ、自分の家族だったら言えるのかな?という気持ちと、本人にとっての救いがそれであるなら...という気持ちが渦巻く。私はまだ、何が正しいのか分からない。
私は彼についてまだまだ知らないことだらけで、彼が作詞作曲したイハイちゃんのため息を今回初めて聞いて涙が出た。当分シャイニの曲を聞けないし動画も見れない。でも彼が作った曲なら聞けると分かったからこの曲を聞き続けるだろう。この詞をトップアイドルが書いたという事、詞と曲から彼がどういう人か分かる。彼が遺してくれた曲たちを聞く度、口ずさむ度にあなたをそばに感じられるようにしてくれてありがとう。
もちろんシャイニの曲も好きだけど、ジョンヒョンのソロ曲が本当に好きで。ライブやSMTで聞ける時は本当に楽しみだった。デジャブを聞いた時、これは彼にしか歌えないわと思ったことを覚えている。シャイニの音楽とはまた違う彼のやりたい音楽が聞けて嬉しかった。彼の作る曲はとにかくお洒落で、それでいて優しさと暖かさを感じる曲ばかり。
悲しくても毎日は普段と同じように来て、学校や仕事に行けばいつも通りな環境があって、時には笑わなきゃいけないこともあって。正直に言ったところで上辺だけの同情なんかいらないし。悲しむことがおかしいってことは全くないのになんだか気が引けて。
会える仲間がいれば会い、いなければSNSや他のツールで気持ちを共有して自分の中に溜めこまないことが一番だと思います。辛い気持ちに優劣はないと彼も言っています。辛ければ辛いと言ってくださいね。いなければ私が聞きます。
人の死って、若い人の死って、好きな人の死ってこんなに辛いんだね。まだ死を身近に感じたことがない若いペンがたくさんいると思うと余計辛い。若くなくても辛い。
受けいれることはいつになったらできるのか分からない。 活動休止しているか、どこか遠い国にいてメディアに出ないのだろうとずっと思っているかも。 早くジョンヒョンを見たいな~と寂しく思っているかな。理解が追いついてないし信じられないけどでも、、、、お別れの言葉を言うよ。
ジョンヒョン、お疲れ様。本当にお疲れ様でした。
日本で生きる私と出会ってくれてありがとう。
あなたのことを一生忘れません。
心から故人のご冥福を祈ります。