オレンジと緑

気ままに。見た映画の備忘録にしていきたいです(ネタバレ無し)

やっとカルテット見ました(印象に残った言葉集)

*1

 今さらながらカルテットを見終わりました。前期の逃げ恥から一転、暖色から寒色に変わったような、春夏から秋冬に変わったような、4人が醸す大人の雰囲気に最初こそついていけるかと心配でしたが心配ご無用でした。逃げ恥もカルテットも雰囲気やストーリーが違えど、メッセージ性がすごかった!特にカルテットは台詞回しが秀逸でしたね。脚本家は「最高の離婚」や「mother」を手がけた坂元裕二さん。超大人な話を、大して明るい人がいるわけでもないのに重たくならずにむしろ笑ってしまう場面があったのは、坂元さん独特の台詞回しのおかげだと思います。逃げ恥より視聴率が悪かったのは録画組が多かったからだとネットニュースで見ましたが...何回も見て坂元脚本を読み取りたいファンがたくさんいらした気持ちも分かります。そんな私も録画組でしたが、鈍感人間は深い考察もなくただただ楽しんで見てしまいました(汗)しかも超時差を発生させて完全にのり遅れましたが、自己満で書いていきたいと思います。

今回は、私がカルテットの印象に残った台詞を独断と偏見とただただ記憶力に任せて書いていきたいと思います。曖昧な記憶から述べているので間違いがあったらごめんなさい。

 

まず真紀さん(松たか子)の台詞から...

愛しているけど好きじゃない(第1話)

真紀さんが夫さんに言われた台詞なのですが、うわぁ~~そうか~~と苦しくなりました。「好きだけど愛していない」は分かりますが「愛しているけど好きじゃない」は完全に自分の当たり前がひっくり返りました。愛しているが好きを包括しているのではなく、愛していると好きは別個のものだとは。夫さんとの過去が明らかになる回では、結婚を境に互いの“愛している”と“好き”が徐々にかみ合わなくなっていくさまが描かれているのですが本当に切なかった。真紀さんは家族になったことで、好き→愛しているに。夫さんは愛している→好きに。同じ情でもここまで違うものなんですね。   まだまだ咀嚼しないと分からないことだらけですこの言葉は...。

 

ありガトーショコラ(第5話)

これは4人が3流のお仕事をする時に用意されたキメゼリフです。真紀さんの担当がこの、ありガトーショコラ。3流のお仕事とか絶対ヤダ!!!と言いはるすずめちゃんに、真紀さんが真面目に説得してすずめちゃんが何とかやってくれる気になった最後に「...ありガトーショコラ」とお礼を言ったときは笑いました(笑)重たい雰囲気が滑稽になる瞬間がカルテットには度々あって不意を突かれて笑わされることが多かったです。

 

泣きながらご飯を食べたことがある人は生きていけます(第3話)

この言葉に救われた人、多くいるんじゃないかと思います。すずめちゃんの父親が亡くなった時、病院に行きたくないすずめちゃんを普段の真紀さんなら引きずってでも行かせたと思うんです。でもそこで真紀さんはすずめちゃん側についた。いろんな事情や感情がある中で、時に正しい行いは必ずしも正しいとは限らない。泣きながらご飯を食べるすずめちゃんにうるっとしました。

 

 練習したから失敗するのが怖いんです(キッチン綺麗にしたから、ご飯作りたくないのといっしょですね)(第2話)

 矛盾してるけど分かるーー!練習していなければ失敗しても、練習してないしって言い訳できるけど、練習したのに失敗した時って自分をどう慰めていいのか分からなくなる。辛い。

 

いなくなるのって消えることじゃないですよ。いないってことがずっと続くってことです。いなくなる前よりずっとそばにいるんです。(第2話)

ハッとした言葉。肉体がなくなったからって存在がなくなるわけじゃない。

 

 二人目、別府くん(松田龍平)

 

僕には夢があって、一度でいいからわがままし放題して、みんなから「破天荒な人だ」って言われることです(第5話)

一番まともな人、別府くん。視聴者が一番共感できる存在だったんじゃないでしょうか。でも、無意識にニットの袖をめくってて気づいたらタンクトップになってる人はまともではないかな。わがままというか、自分の欲求に素直になれる人が羨ましいなと共感した台詞。

 

 私、多分、結婚する(第2話)

この台詞自体は別府くんの同僚九条さん(菊池亜希子)が別府くんに結婚を報告した時の言葉。ここでは行間案件が盛り上がりました。“こっちから連絡するね”は“連絡してこないでね”の意味、とか。こういう直接は痛いので間接的につつく言葉って難しいけど、分かってほしいときもある。言う方は察してほしくて考えて言ってるけど、言われた方は分からないのかな~私も分かってない時あるんだろうな。“私、多分、結婚する”は“私の、結婚、止めて”です。ちなみに“私、多分君が好き”は“私、君が大好き”です。(今考えた)多分って言葉、憎いね~

 

 三人目、家森さん(高橋一生

あと君またトイレのスリッパ履いてらぁ(第2話)

ただただこの言い方が好きなだけです。台本にどう書いてあったんだろうと思うほど自然、というかほんと言い方が家森さんっぽくて良かったです。その後のすずめちゃんの「ごめんなさい...」が可愛すぎるのでセットで見てほしい。

 

すずめちゃんコロッケデートしてくれるの?幸せでしかないなぁ。(第10話)

幸せでしかないなぁって言われたいだけです。すずめちゃんに片思い中の家森さんはストレートに言うのに、性格ゆえ冗談ぽくなってしまう(にする)し、寸劇ですずめちゃんに振られて(自分から断ってって言ったのに!)何気傷ついてる姿は可愛かったです(笑)

家森さんうるさいと思う時、大体大切なこと言ってます(笑)から揚げとかパセリとか(食べ物ばかり)名場面ですよね。

 

 

最後、すずめちゃん(満島ひかり)。f:id:rma503:20170424010738p:plain

 猫があぐらかいていたんで(第2話)

言われた方も必死になって探すのがまた良い。すずめちゃんて明らかな嘘をつくんです。両親何しているの?って聞かれて「岡山できびだんご作ってます」とか(笑)もうそれ以上は聞けないよ、すずめちゃんの勝ち。幼少時代の影響もあると思うんですが彼女は本心がみえそうでみえない雰囲気がすごい(しその按排を出してくる満島さんの力量がやばい)。後これも一種の行間案件だと感じました、“あなたには言いたくない”。分かりやすい嘘に真面目に返されたら最悪。分かりやすい嘘は、そういうことです。

 

質問を質問で返すときは正解らしいですよ(第2話)

私素っ頓狂な質問されたら正解じゃなくてもびっくりして質問で返しそうだ...。でも嘘が顔に出るタイプとかはまんまと質問で返しそう(私)。こういう心理学?楽しい。そしてなんといっても別府さんとこの話をするすずめちゃんは恋する乙女すぎて可愛すぎました。この二人の会話シーンは動物は何が好きとか、アイスのくだりとか、カルテットの醍醐味が凝縮されていてすごく好きです。

 

好きだって忘れるくらい、いつも好きです(第8話)

好きすぎて四六時中あなたのこと考えてます。よりも、好き度が伝わる。というか四六時中考えてるは怖いな。

 

みぞみぞしてきました(第1話他)

すずめちゃんの代名詞。造語のようですが、近い言葉だと“ぞくぞく”だと私は思いました。その名の通り、みぞみぞ(ぞくぞく)した時に言いますが後半は全然使わなかったですよね?だから最終話のラストの言葉がみぞみぞしてきましたで、余計みぞみぞしました。でもみぞみぞがどうしても気になり “みぞる”という言葉を調べました。

みぞるとは、みぞれが降るという意味でした。そこで、みぞれを調べました(笑)溶けつつある雪、あるいは雨や濃霧と雪が入り交じって降ること*2だそうです。正解は坂元さんに聞かなければ分かりませんが、雨か霧か雪か分からないグレーな状態とはまさに白黒つかないカルテットの状態と重なります。

 

 

 

 

 

 予想以上に書いてしまった。でも、あげればきりがないほど本当はあるんです。そのくらい名台詞の宝庫でした。家森さんにいたっては好きなだけとか言われたいだけとかで書いてしまってるひどい...。

皆さんの好きなセリフは何でしたか?きっと見てる人によって忘れられない言葉も違うだろうし、何年か後の私が見たら感じることが違うだろうなと、そんな言葉が散りばめられたドラマでした。