「アイアムアヒーロー」/ネタバレ無、映画レビュー感想
(引用:http://eiga.com/movie/80485/photo/)
監督:佐藤信介
原作:花沢健吾
脚本:野木亜紀子
製作:市川南、寺島ヨシキ
日本、2016年、127分、15R+
配給:東宝
*ざっくりあらすじ
冴えない漫画家アシスタント、鈴木ひでお。謎のウイルス、ゾキュンの登場で彼の平凡な日常が一転する。
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先日、連載の最終回が話題になったアイアムアヒーロー。予備知識無しで見ましたが、、、。正直、甘くみていました。大泉洋さん出ているし予告もコメディチックでPOPな感じ、ゾキュンってなんか可愛い響き(?)、これならホラー大苦手な私でも見れそう!それにリングや呪怨系のお化けは無理だけど、今回はゾンビだし!バイオハザードは見れるし! と軽い気持ちで見たのが間違いでした。
めっちゃ怖いやんけ
予想以上のグロホラー。特にグロが凄まじい。驚きと同時に見た後はぐったり(汗)ごめんなさい、何度か目を逸らしてしまいました。いやはや、ホラーがだめな方はあまり無理しないで下さい。苦手だけど見たい方は晴天の昼間にでも見てください。夜見ると夢にゾキュンが出るかも。。。
安定のダメヒーロー
前から好きな役者さんでしたが、更に大好きになりました。大泉さんがいると場が一気にやわらかくなるというか優しくなる、そんな存在の大泉さんが本当に好きで、そんな雰囲気がこの映画にも少なからず出ていました。緊張感漂う場面(≒怖い場面)に出てきてくれるとめちゃくちゃほっとしました(泣)そしてものすご~くかっこよいんです。ラストの銃撃シーンは息をするのも忘れるほどです。人を守る強さと優しさと泥臭さが、大泉さんを通してひしひしと伝わりました。私もおんぶしてほしいし守られたい。
映画は真夏の韓国で行われたそうです。確かに車が回転したり、日本では難しそうな大規模なシーンが盛りだくさん。ダイナミックなシーンを撮ろうとすれすれを狙うあまり、大泉さん軽くひかれたらしいです、車に。もちろん速度も遅くて怪我はなかったそうですが、こういうことをしてしまう彼が大好きです。(笑)*1
一番恐ろしいのはゾキュンではなかった
ゾキュンも十分恐ろしいですよ。メイクやCGで人間とは思えない姿、行動に直視ができないほどです。でもやっぱり怖いのは人間でした。危機的状況になると人間は、人間がすることか?と疑うような残酷なことも平気でしてしまうのでしょか。裏切りや奴隷制度、ヒエラルキー下に置かれた人々を見ていると、いっそゾキュンになった方が楽なんじゃないかとさえ思いました。(特に吉沢悠さんが素晴らしく怖い。人間の目をしていなかった。) 自分のことしか考えられない人達ばかりな中で、唯一信じられるのはひでお(大泉洋)だけ。周りが全員敵に見える中でも、決して屈しずに行動をするひでおの姿は、昔のひでおではもうありませんでした。
人間とゾキュンのハーフ
有村架純さんが演じるヒロミちゃんは人間とゾキュンのハーフ。 人間とゾキュンのハーフなんて未知のことで難しかったとおっしゃっていましたが、見事な(可愛い)ハーフでした。表情を動かしすぎると人間ぽくなるし、かといって、無表情だと人間ぽさがない。繊細な顔の表情が素晴らしかったです。
生き延びた一人の女性を演じた長澤まさみさんは、とにかく綺麗!スタイル抜群でアクションも美しい!斧をふり上げても美しい。
話がそれますが、この映画がより怖く感じた理由は、登場人物が私たちとそう変わらないことだと思いました。ビームが出るような武器があるわけでもない、モビルスーツを着て普段よりも戦闘力が上がるわけでもない。ぺらぺらの洋服を着てビービー弾や斧、トンカチでゾンビに挑むのです。次元の違う世界ではなくてリアルな世界に感じられる部分が多く、それらが怖さをより倍増させました。
ラストは原作に忠実に終わっています。
映画の最中に、早く終わって!!と思ったのはつまらないからではなく、早くゾキュンが目の前からいなくなって安心したかったから。めちゃくちゃのめり込んでいる自分にじわりますが、こんな風に早く終わってほしいと思う気持ちは初めてでした。
豪快、残虐、絶恐。日本のゾンビ映画、甘く見てると痛い目にあいます。
~オススメ場面賞~
グロホラーが好きな人、ハラハラしたい人向け、(苦手な人は大勢で見るべき。)
P.S.ゾンビ役でメイプル超合金がエキストラとして出ているので探してみてください。隠れミッキーならぬ隠れメイプル超合金。